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吉川慈人氏インタビュー
「気軽に3D、見えない情報をよりリアルに伝える」
ディズニーランドの飛び出る3D映像や、少し前に流行ったステレオグラム。
本物そっくりに現れる物体に、思わず手が伸びてしまう。
でも、なぜ浮かんで見えるのか知っていますか?
最近は、メガネなしで3Dが見られるなど、その技術は日々進歩しています。今回は、常に時代の先端に立ち、この分野を切り開いてきた吉川(きっかわ)様に、立体視についてお話を伺いました。連載のイントロダクションとしてお読みください。
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1988年(株)クボタ入社。
現在、(株)ケイ・ジー・ティー ビジュアリゼーション事業部 営業部 営業推進マネージャー。
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 今まで、どのようなお仕事をされてきたのですか?
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最初は、(株)クボタの技術開発研究所で、レンダラーというCGソフトを開発していました。でも、それ販売しなかったんですよね、2年目に開発者2名ともクボタコンピュータ(現ケイ・ジー・ティー)に異動になりまして、そこでは、DOREという3次元のグラフィックスライブラリのサポートを行っていました。当時、SGIのGLに対抗していた、TITANというワークステーションのライブラリです。その後、KGTでAVSを販売することになり、AVSのサポートや開発を行いました。
クボタに入った時は、本当はメカトロをやりたかったんですけどね。知らないうちに、大阪から東京に転勤になり、ずっとビジュアリゼーション関係の仕事をすることになっていました。でも、仕事はおもしろかったですよ。すぐ絵に出ますし、お客様に喜んでいただけるのが嬉しかったです。
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AVS/Express
(モジュールを組み
合わせで可視化する
ソフトウェア)
詳細はこちら
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 最近、注目していることは何ですか?

CAVEシステム
(複数のスクリーンによる
立体映像システム)
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昔は、立方体が回るだけで喜んでいましたが、AVSを使うようになり、自分が大学時代にやっていた数値解析がグラフィックスで分かりやすく表示されるのが嬉しかったです。でも、それもそのうちに物足りなくなってきて、今は、立体視やバーチャルリアリティに関心があります。
CAVEを初めて体感したときは、びっくりしました。CAVEは空間内に物が浮かんで、止まって見えるんですよ。値段を聞いてまたびっくり、何億もするとかで。あと、お客様が喜ぶ姿を見るのが楽しいですね。「おぉ」とか、両手でつかもうとしたり。
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分子構造やベクトル、流線など、どちらを向いているか分かりにくいものは、普通は角度を変えながら把握しているのですが、立体視だと静止している状態でもよく分かります。
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 CAVEってそんなにすごいのですか?

COSMOS
(6面立体型
映像システム)
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岐阜に、COSMOSという6面全て囲まれたCAVEがあるのですが、中は全部スクリーンで、中ならは開けられないんですよ。これは本当にリアルで、地面からあがっっていく、または天井から落ちてくるような絵を見ると、かなり不安になります。
あと不安なのが、電源の故障。開かなくなったとしても、スクリーンを破ることはできないので、「今晩一晩我慢してくれ」みたいな話になるんでしょうね。
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 なぜ、立体に見えるのですか?
物体は、右目で見ると左側に、左目で見ると右側に見えてるんですよ。それを視差というのですが、この視差分のずれが奥行き感をもたせ、立体に見えるんです。右目用、左目用の画像を用意し、左右それぞれの目で見て一体化します。
一体化するためのメガネには、3D ViewREXや赤青のメガネ(アナグリフ方式)、液晶シャッターメガネ(時分割方式)、偏光方式などいろいろあります。この違いついては、解説で詳しく説明します。 |

3D ViewREX |
 これから、どんなことをしてみたいですか?

データグローブ
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今後は、反力、フィードバックが欲しいなあと。例えば、物をつかんだら、つかんだ手ごたえがほしい。流れの解析をやってる人は、見るだけではなく、体感したい。これがなかなか大変なんですね。
データグローブを使うと指が制御できるのですが、それだけだと、手首の動きや腕の動きは制御できません。現実に近づけようとすればするほど、腕、体、足全てを制御しないといけなくなり、なかなか難しいですね。
たかが手ごたえのために、大リーグボール養成ギブスみたいにするか、って。
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 ところで、可視化って何ですか?
可視化というのは、「目に見えない情報を、目に見えて分かりやすい形で表現する」ことです。例えば、医療現場では、CTでスライスした画像を何枚か見せて説明しますよね。それを、3次元的に、脳や血管、腫瘍だけ取り出してみせすると患者にも分かりやすいですよね。それから、環境問題です。ビルの周りの可視化であれば、住民に騒音やビル風や日照の問題に役立ちます。 |

CT画像の3D化 |
 何のために可視化をするのですか?
可視化の目的は、主に2種類あって、一つは、「発見のための可視化」、もう一つは、「伝達のための可視化」ではないかと思っています。 |

PortableVR
(低価格コンパクトな
立体視システム)
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第三者に分かりやすく伝えるためには、いろいろな工夫が必要です。例えば、よりリアルな実際の建物と一緒に表示したり、あとはアニメーション。それから、やはり、立体視ですね。よりインパクトが与えられます。
「伝達の可視化」という意味では、立体視は有効です。大きなプロジェクトの予算獲得のためのプレゼンテーションに利用したりします。最近は、PortableVRを使って、発表することもあるんですよ。解析に新規性がなくても、インパクトがあると評価されるんです。
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 今後の夢は何ですか?
これから、立体視がもっと身近になっていくといいですね。「誰でも、どこでも、簡単に」というのが一番大事だなと。今、論文などは紙ベースのものが多く、その時点で2次元になってしまうので、なんとかしたいなぁと思っています。みんなで立体メガネをかけて立体画像を貼り付けた論文見るなんていうのも、想像すると面白いですね。
もっと身近なところで利用できるように、「立体をどうやって身近にするか」、というのは大きなテーマです。 |

立体メガネをかけて
論文を読むと・・ |
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これから数回に分けて吉川氏の研究を詳しく紹介いたします。ご期待ください。
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